001: セールスマンの抱く恐怖
Keep fear in check with
assumptive actions, practice.
成功予測行動や練習によって自己に潜む恐れを克服せよ。
セールスマン(営業マン)が遭遇する最大の障壁の一つに, セールス(具体的な販売活動)する上での不安や恐怖といったものがありますが、この事実は効果的なセールスをおこなう上で注目すべきポイントです。
セールスマンによらずビジネスの世界では、こちらからのオファーに対し顧客から色々な場面で拒否される事に遭遇しますが、それに対する受け取り方や、その対処方法、精神的なダメージの程度といったことはまさに人それぞれ千差万別ではないかと思います。
予約無しで行う売り込み電話(Cold Call)は売上の向上や、市場獲得、それにセールスマン自身の収入の上昇に直接繋がるものであるにもかかわらず何故それが大きな悩みの種になってしまうのか? 確かにストレスもたまり時間のかかる一連の作業である事は事実です。でもそれがCold
Callを遠ざけている本当の理由なのでしょうか? そこにはある種の"恐い"という感覚が存在するからではないでしょうか。"拒否"を受ける、という事を考えただけで精神的にまいってしまい本当に身体の調子までおかしくなってしまう人も少なくないようです。
その恐怖感が何故成功を妨げてしまうのかについては例を上げればきりがありませんが、セールスにおいて肝心なClosing(契約に持ち込む)能力や相手からの拒否、不満といった事を効果的に冷静に処理する力への影響はその最たるものでしょう。 本当に勇気のある人は、自分の関係する市場への支配・征服意欲が強く、ある種の強力な、実践で身に付けた方法を取り入れる事でその恐怖の入り込む余地がないのです。
人は自信に満ちた相手と仕事がしたいと思うものです。 "Friendly Control"(フレンドリー・コントロール)という手法は恐怖を押さえ、(話し手本人がそれほど意識しなくても)相手に対し自分を自信に満ちた雰囲気にさせる事ができる。 その具体的な方法として"Assumptive
Action"(成功予測・予定行動)や "Assumptive Vocabulary"(成功を前提とした言い方)と呼ばれるものがあります。
"Assumptive Actionは恐れを最小限にする。"
Cold Callやプレゼンテーション前の2−3分の間、目を閉じアポイントを取ったり、受注に成功したりするシーンを想像するのです。バカな話だと思われるかもしれませんが、これは多くの大成功者が行う手法です。タイガー・ウッズもドライバーを打つ前にそのボールの落ちる場所を正確にイメージする、と言われています。
プレゼンテーション前に2−3分間の時間を取って注文書に契約希望相手の名前を書くのです。米国では、やり手の不動産仲介人は椅子に座る前に所定のフォームに相手の名前を書いておき、その際にその契約書類を相手にも見せるのです。それには、さりげない表現で、"本日、ビジネスの成立を予定し期待しています。"と書いて置く訳です。
大きな事を成し遂げたいと思う時、"それに向かって行動し最後までやり遂げることができれば結果もついて来る"、ということはよく言われてきていますし、多くの人にも納得できる事でしょう。でもその際に自信を持って行動するということこそが重要な事です。 そして又自信を持って話をするということが必要なのです。
フレンドリー・コントロールという手法を取り入れたトップセールスの人達は決して弱気な"If"の付いた発言をしないものです。例えば "もしも、お会いできたなら…、" とか…。 それに変えて、"お会いできた際には…"、"ご都合の良い時間が定まりましたら…"、"お会いできる事によって.." とか或いは "お会いする約束が確認できました後には…"といった話し方に自然になります。
Practice Makes Perfect.
(習うより慣れろ。)
でも言葉だけであなたはその分野のトップになる事はできません。セールスとは、態度や考え方、言葉遣い、タイミング、粘り強さ、そして弛まぬ訓練を必要とする生涯をかけるべき専門技能です。一流の運動選手の、あの練習量を考えてみて下さい。自身の規律や自制にどれだけの時間をかけているのか思い起こして下さい。又、30秒のTVコマーシャルは最終Goに至るまでに数十時間もかけて編集されたものです。セールスはそれと同様の訓練や努力を要する訳で、同じように本気で取り組むのは至極当然と言えます。
どのようにセールスの練習をするのか? "Role-play"(役割演技)という方法があります。この方法はへまをしても構わない訳ですが、初めは"ばつ"が悪かったり、ぎこちなかったりするし、又、ばかげているように思えるかもしれません。しかしながら自分がセールスする上での不備を修正するのに最も有効な方法の一つです。 この練習を通じて声の調子や、発音の明瞭さの程度、表現方法、しぐさや言葉の選択などの重要な技術を強化するのに役立てる事が出来るのです。
恐怖をコントロールできなければ成功は困難です。 "Great" セールスマンはその恐れを取り除く為に、訓練に最低10%の時間を割いているとさえ言われています。仲間やマネージャーと共に行ったり或いは自分一人で鏡に向かったりして行う訳です。 真に成功したいと願うなら、誰かに自分をビデオテープに撮ってもらって、他人の目から自分がどのように見えるのかを体験してみる方法もあります。
自分が怖いと思っている事を自ら進んで行うことで、その怖さを次第に打ち消し、結果として成功を手中に収めることになるのです。
参考資料
001: Keep fear in check with assumptive actions
Laura Laaman
American City Business Journals
2/7/2005
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